●ナイン・ストーリーズ
ナイン・ストーリーズ 改版(新潮文庫)
スポーツするために向かう車内で語られる「笑い男」、子供の傷ついた心を描く「小舟のほとりで」、論理の脱却をはかる「テディ」など、短編を9つ収録。
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この本の巻頭には「隻手の音声」の公案がのせられている。
最初、なぜこの公案がのせられているのかわからなかったし、それぞれの短編を読んでみてもさっぱり意味のわからないものが多かった。自分には読解力が全然ないのではないかと思ったくらいである。
だが、最後に収録されている「テディ」を読むと、それぞれの短編の楽しみ方が何となくわかってくるような気がするし、巻頭になぜ禅の公案がのせられているのかが、なるほど、と思うようになってくる。
先入観とか、こだわりとか、そういったものを捨てて、そのままの作品を自分が思うままに楽しめばいいのかな、と思う。
そうやって考えると、一番好きな短編は「小舟のほとりで」である。海軍の提督の真似をする母親と、その息子との会話が読んでいて微笑ましい。作者もユダヤ人ということで、似たような経験をしたかもしれないな、と思った。
サリンジャーといえば「ライ麦畑でつかまえて」だが、こちらは全く読んだことがない。当時話題作だったということだが、そのうち読んでみるかもしれない。
















