●悟浄嘆異-沙門悟浄の手記-
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「悟浄出世」であらゆるものの存在に疑問を持ち、結局確かな答えがでずに観音菩薩の教えによって地上にでた悟浄の続編である。
ここでは、三蔵法師や孫悟空など、西遊記でおなじみの面々とともに旅をしていくわけであるが、悟浄とことごとく性質の異なる孫悟空の描写が、大変面白い。
自己に対してゆるぎない信頼をもつ孫悟空は、およそ悟浄とは性格的にあわないような感じであるが、そここそが悟浄にとってもっとも足りないところである。無論悟浄もそれを知っているのだが、だからといってすぐにどうにかできないというところが彼らしいし、自分が同じような立場だったらきっとそうだろうと考えると、非常にリアルである。
この話で登場する三蔵法師は最弱であるが、本当の強さとはどういうことか、読むと考えさせられる。
一番印象に残っているところは、猪八戒が生を楽しむさまを見て、悟浄が「楽しむにも才能の要るものだな」と思うところである。楽しむことにも才能ってあるのか、と初めて読んだ当時は思った。



